兄岩。
小川山最終日の朝。
撤収して片付け終えて。
車も木陰に移動して。
設置してもらった椅子でこはくとまったり過ごそうと思ってたら。
歩きたそうにしてるこはくを気遣ってくれたのか、『こはくも一緒に行くかー?』と。
兄岩ならアプローチも近いし、登らないから大丈夫だろうと、こはくだけを行かせるわけにもいかずあたふたと準備。。。
先に行ってたみんなとこはく。
渡渉がこわいこわいにならないかーとか、わたしがいないから大丈夫かとか、心配を他所にこはくはしっかり渡渉もこなして対岸へ行ってたらしい。
ずっとおさわりしてみたいと思ってた課題。
『ピクニクラ』
今度兄岩に来るならこのこをおさわりしてみたいと思ってたんだ。。。
こちらも登ってみようと思ってたスラブ。。。
今度兄岩に来れるのはいつになるんだろう…。
去年の夏からパートナーがやってる難しいやつ。。。
『磁力』
ビレイもできない今の自分の身体が使い物にならなくて心底情けなくなる……。
前夜ナナーズへ買い出しに行くパートナーの車で。
こはくはいつも通り変わらず安定の可愛さで癒してくれる︎❤︎︎
そして赤城の麓へこはくを送り届ける帰り道。
1日中森の中で過ごしてたので、探検したりやまんぽしたり、時にはビレイわんしたりと大忙しだったようで。
ものすごく楽しかったのかな…︎❤︎︎
ずっとうとうとしてる可愛いこはく。
登れない登らないって。。。
頭と身体が理解できてなくて、正直まだ現実感がない。
それでも穏やかな時間を過ごすことができたのはこのちっちゃなこはくのおかげ。
そして一緒に行こう!と、こはくを連れ出してくれたパートナーのおかげ。
登れない登らなくても岩の近くにいることができて良かった。。。
『登れない日も楽しむ』
いつだったかのメンタルトレーニングから自分自身に言い聞かせてること。
身体が思うように動かなくて、登れないそんな日も楽しむこと。
怪我をした今でこそこれからずっとずーっと登れない日々が続く。。。
それでも信じて今やれることをやるだけ。
赤城の麓へ。
病院で1日有休もらって、翌日からは公休で連休だった。
元々はこはくと一緒に小川山3日間の予定で。
当然登れないのはもちろん。。。
それでもこはくを小川山に連れてってあげたくて、長い長い病院ハシゴの1日を終えて、終バスギリギリのタイトなスケジュールで高崎線に飛び乗ってこはくの暮らす赤城の麓へ。
駅までの道程も、帰宅ラッシュの電車の乗り換えも、階段ばかりのホームへの移動も、ものすごく辛かった。。。
ストック片手に階段から転がり落ちるんじゃないか……って、思う場面もあったり。
それでも赤城の麓へなんとか終バスで辿り着いて、こはくの顔を見たら吹っ飛んだ。
こはくと離れて暮らすようになってもう一年半。。。
近いようで遠い赤城の麓。
毎月こはくと過ごすためだけに一日の数時間を往復5時間~6時間の運転をしつつ帰ったり。
そのまま真っ暗な赤城の麓を後にして、寝ずに向かった小川山。
……運転できるだけ良かった。
利き足だから長距離長時間運転はもちろんしんどくて、それでも3日間自宅に篭りきりなんて無理だったから。
こはくと過ごす小川山での時間。
夜明け仮眠して朝に合流したみんなに経過報告をして、日中はずっとテントキーパー。
登れなくてもこはくと一緒におひるねできる。
ひさしぶりに時間を気にせずゆっくりする1日。
あさんぽに連れ出してくれたHくんやTちゃん。
こわいこわいでびびりながらも最後はしっぽくるりんでるんるんだったこはく。
それだけでも小川山に来た意味がある。
愛しい大切なちっちゃな天使様︎❤︎︎
もふもふのこはくの体温やにおいに癒される1日。
そして検索結果。。。
事故から3日目。
MRI検査結果を持ってまた先生のところへ。
自立歩行もままならないのでストックでなんとか。。。
運転はかろうじてできるとはいえ。
駐車場から整形外科までの道程もかなり遠く感じるししんどい。。。
大丈夫。
もしも最悪の結果だったら…。
と、待ってる間ずっと不安で落ち着かなかった。
冷静に受け止めることができない予感がして、診察室に入る時にレコーダーをONにして入る。
……結果。
素人目に見てもわかるくらい鮮明に映ってた画像。
前十字靭帯断裂。。。
突然頭をハンマーで殴られたような鈍い感覚がした。
先生はただ一言。
これからも続けるなら手術が必要ですね。
と。
そこからは自分でも何をどう話したか実はあんまりよく覚えてなくて。
あとからレコーダーを聞き返すと、ものすごく冷静に客観的に淡々と手術の内容とか日程とかを確認したりしてて。
術後どれくらいで退院できるのかーとか。
どれくらいで自立歩行できて、どれくらいでリハビリして、どれくらいで登れるようになるのかーとか。
そんな先のことまで確認してた。
先のことなんて誰にもわからないのにね。
診察室を出てからは。
ひとしきり涙が止まるまで泣いて。
術前検査で検査室を行ったり来たり。
そのままなんとか帰り道運転して帰ったけど…
ものすごく長い1日だった。
CT~MRI。
2日目。
朝目覚めたら、というよりも。
夜中ずっと痛みで眠りが浅かった。
自分では朝になればきっと大丈夫。
そう思ってたけど…
病院に行った方が良い。
感覚的にそう感じて大学病院へ。
整形外科のスポーツ膝専門の先生に診てもらえることに。
動画を見てもらって、状況説明して、自分なりの見解を話してみる。
触診から始まり、予期せぬ関節液と水を抜く注射。。。
診察台の上で我慢できない激痛に涙がボロボロ…。情けないけど痛過ぎて痛過ぎた。
自立歩行できないので山用のストックで行ったけど、処置後は更に痛みが悪化してしばらく動けず。
なんとかCT、そしてその日のうちに検索結果が出るからと他医療機関に移動してMRIを撮ることに。
利き足の右足だけど、かろうじて運転できるから救われる。
ひとりで行かないといけないこういう時は、精神的になかなかこたえる。
CTの検索結果は想定通り骨に異常はなし。
やっぱり靭帯かな……
MRIの検索結果は明日もう一度大学病院で先生に見てもらってから確定するけど、この時点ではまだ最悪の事態までは想定できてなかったんだ。
突然の事故。。。。
めまぐるしく過ぎたここ数日間だった。
まだ気持ちの整理はできていない。
でも立ち止まって考える時間も泣いて過ごす時間もない。
遡ること一週間前の夜。
仕事終わりで夜練☾.*·̩͙
ラスト5分に起きた事故。。。
ルーフ課題で左手が抜けて着地した瞬間の一瞬の感覚。
ぇ?。。。
……起き上がれない……
右足に力が入らない。。。
立ち上がれない。。。。
そのまま上半身の力だけでマットから出て。
それでも悶絶する程の激痛で動けず。
必死の思いで着替えて荷物纏めてひとまずジムを出た。
一緒に夜練してたHくんも付き添ってくれて。
別の場所で登ってたパートナーにLINEする。
電車の乗り換えどころか、駅までも歩けないだろうと車でお迎えにきてくれることに。
一部始終を見ていたHくんも。
撮ってた動画を何度も見返した自分自身も。
何が起こったのか疑問符しかない。。。
そのままその日はなんとか家に帰宅。
朝に目が覚めたらきっと大丈夫。
その時まではまだ、その程度だと軽く考えてたんだ。